後悔できない新築マンション選び…価格だけではない完成在庫を購入するメリットとは

新築マンションの購入を検討し始めたら、まずは物件選び。

エリアをはじめとする条件などから絞り込みをして、電話で資料を請求したり実際に足を運んでみたり…。

検討し始めの第一歩も、かつては情報誌を手に入れたり、日頃の新聞折り込みチラシをチェックしたり…でしたが、今ではスマホをはじめとしてネット環境さえあれば簡単に踏み出せます。

誰でも後悔はしたくない住宅選び。

一方では様々な情報が瞬時に入手できる世の中ですので、選択肢も過剰になりがちですのでそこに迷いも生じがちです。

そこで今回は、「完成済みマンション」の検討・購入に焦点を当ててみます。

新築マンションのキャッチコピーで時折見かける「即入居可」

住宅情報サイトを閲覧していると、それぞれの物件のキャッチコピーなどがすぐに目に入ります。

そんな中で時折見かけるワードに「即入居可」というモノがあります。

そもそも現在の「一般的」な新築マンションの販売方法ですと、いきなり「即入居可」にはなりません。

以前の記事でも紹介していますが、建物完成の1年前や2年前から販売を開始することはごく一般的です。

その時の記事

念のため断っておきますが、すべてのマンションがそんな前から販売を開始しているわけではありません。

あえて建物が完成してから、実際のお部屋をモデルルームにして販売している物件もありますが、今回は今でも「一般的な販売方法」の新築マンションの場合に絞ったお話しです。

話しは戻りますが、そんな、完成の1年前や2年前から販売をしていたマンションが今、「即入居可」のキャッチコピーを付けて販売している…。

ズバリ言ってしまえば「売れ残りのお部屋」の購入について、検討の対象とすることは〇か×か、というお話しです。

新築マンションの適正価格とは…「売れる価格」が「ふさわしい価格」のはず!

自分が不動産関係の会社に転職した際、まず最初に上司から言われて今でも印象に残っている言葉で「売れない不動産はない」というものがあります。

まあ、非常に端的な「ひとこと」なんですが、極端に言えばそういうことなんです。

不動産は「この世に同じものは二つと存在しない」モノですから、立地をはじめとしてすべて条件は異なります。

だから価値の違い、言い換えれば価格の違いがあるわけでして、「ふさわしい価格であれば必ず売れる」というわけです。

もちろん、それで販売する側にとって利益を得られるか、とかそういう現実的な問題はここでは置いておきまして、逆の言い方をすれば「売れる価格がふさわしい価格」とも言えるんです。

だから、例えば立地をはじめとしてその他条件があなたの希望と合致していたとした場合、あとは価格がふさわしいモノであれば、「買い」なんです。

まずは、「即入居可マンション」のメリットは?

かなり回りくどいことを言っていますが、ここで新築マンションの完成在庫のお部屋を検討、購入するにあたってのメリットとデメリット、まずはメリットについて整理しておきます。

先ほどは「売れ残り」という言葉を使いましたが、何となくイメージが良くないのでここから「完成済みマンション」という言葉を使いますね。

完成済みマンションのメリット1:「価格面」

何よりもまず1番はここですよね。

ただし、必ずしも「完成済み」=「値引きアリ」というわけではありません。

言い方を変えれば「価格交渉に応じてもらえる可能性が高い」ということです。

ひとことで「価格面」と言いましたが、ここは非常に難しい問題でもありまして…。

事業者側からすれば、元々「価格設定」というのは最も時間と労力を使い、練りに練った上での結論。

先ほども言った「その住戸にふさわしい」設定をしたわけですが、購入検討をする側(お客様)にとって、「ふさわしくない」という判断をされたからこそ完成在庫となってしまったその住戸。

そこで、事業者側にとって、その住戸がこの後も在庫としての期間が長期に渡ってしまうこととのコストをはじめとするデメリットを検討します。

極端なことをいうと、明日、定価で購入するというお客様が現れるかもしれないわけです。

まあ、実際にはそんな可能性は限りなくゼロに近いから「完成在庫」になったんですけどね。

そんなこんなで、「価格交渉に応じてもらえる可能性が高い」という言い方にしておきます。

完成済みマンションのメリット2:「実際のお部屋」を見て検討できる

以前の記事でも紹介した、一般的な新築マンションの販売、購入方法でおちいりやすい「こんなはずじゃ…」という事例。

自分が購入検討するお部屋とは、広さも、間取りも、設備や仕様も、カラーも、明るさも、眺望も…全く異なり、さらにそこにコーディネーターがしつらえた、ちょっと良さげな家具が配置されているモデルルームを見学し、間取り図だけで判断せざるを得ない「一般的な」販売方法。

そして「内覧会」で初めて自分のお部屋に足を踏み入れた時に感じる「あれっ?」という、それまでのイメージとのギャップ。

完成在庫では、自分が検討対象とするお部屋を実際に見学することができます。

完成済みマンションのメリット3:「入居者の生活ぶり」が目に見える

新築マンションの販売をしている時に時折受ける質問として、「購入(検討)している人はどういう人たちですか?」というものがあります。

この質問の意図はおそらく、「自分たちのような者がこのマンションを検討していること自体が間違っていないか、身分不相応ではないか」というような謙虚な意味での視点の方と、一方では言い方は難しいですが「意識や立場などが低い人たちと共同生活を送りたくない」というような上からの視点の方の両方があるようです。

また奥様からの質問で「家族構成」を気にする方もいます。

小さな子供がいる家庭でしたら似たような家族構成の方がいるかどうかなど、やはり入居後のご近所付き合いについては気になるところでしょうね。

実際に生活が始まっているマンションでしたら、先に入居している方々の実際の生活ぶりが目に見えます。

例えば「管理規約が守られているか」という部分。

  • バルコニーの手すりに布団が掛けられている。
  • 共用廊下にモノが置かれている。
  • ホタル族がいる(バルコニーから白煙など)。
  • 所定の場所以外に自転車が停められている。

これらはいずれも規約違反であり、なおかつマンション居住者でなくても(外部からでも、また検討の際の見学の時でも)目に見えます。

もちろん、これらだけで入居者の人となりのすべてだと判定してしまうのは早計ですが、そういった部分にどうしてもこだわりたい、購入検討の判断基準にしたいのならば参考にはなります。

また夕方などに足を運んでみれば子供たちの学校からの帰宅の雰囲気、ママ友グループの雰囲気なども見て取れます。

↓↓↓年収の高い学区ランキング↓↓↓

完成済みマンションのメリット4:「資金計画」が立てやすい

マンション購入に際して多くの方が利用する住宅ローン。

購入の検討をする際には、要望に応じてローンシミュレーションを作ってもらえますが、一般的に実際に適用される住宅ローンの金利は実際にローンが実行される(貸し出される)時点のモノ。

つまり数か月や1年以上先のローン金利がどうなっているかわからないことを前提で、支払い計画を立てることになります。

一方で完成在庫のマンションで購入を検討する場合には、ローンの実行(貸し出し)、すなわち引き渡しは翌月や翌々月、超特急で手続きを進められれば当月中なんてことも不可能ではありません。

…ということは金利水準もわかった上で支払い計画をたてることができますのでリスクは軽減できます。

一方で、「即入居可マンションのデメリット」は?

メリットしかないならば全員が完成してから購入を検討するでしょうが、一方でデメリット…やはり販売開始当初から購入検討、手続きを進める方がいい…という、完成してからの購入におけるデメリットもあるわけです。

ここでは、「完成済みマンション」の購入のデメリットです。

完成済みマンションのデメリット1:「選択肢」が少ない

ひとことで「完成済みマンション」といっても、その在庫数はまちまち。

1戸や2戸、片手くらいの残住戸の場合もあれば数10戸、さらに100戸以上ということもあります。

そもそも、完成済みであるそのマンションの購入を検討し始めた時期にもよるでしょう。

いずれにせよ、発売当初から比べれば間取りの選択肢、階数の選択の幅はかなり狭くなります。(当然ですが)

完成済みマンションのデメリット2:「先着順販売」である

本来の購入方法ならば、モデルルーム見学開始から登録までの間にある程度じっくり考える時間はできますし、多くの場合抽選方式での購入資格者の決定となります。

一方で完成済みマンションの販売方法は基本的に先着順販売。

簡単に言えば「早いモノ勝ち」です。

完成済みマンションを見学に行くと、必ず、と言ってもいいほど「早くしないと売れちゃいますよ~」と煽られます。

選択の幅が多く残されているようなマンションならば、候補のお部屋が売れてしまっても同じ間取りで「その下の階」とかの検討もできる場合もありますが、それにしても、あまりのんびり考えている時間はありません。

完成済みマンションのデメリット3:「カスタマイズ」できない

これはデメリット1の「選択肢」の部分と関連しますが、逆に「早い段階での購入のメリット」の裏返しの言い方をした方がピンとくると思います。

先ほども紹介した以前の記事でも触れていますが、早い段階ならば基本の間取りからさらに変更したプランが用意されていることが多くあります。

「メニュープラン」や「セレクトプラン」のような呼び方もされているようですが、例えば本来3LDKのプランでも間仕切り壁が無い状態で2LDKにしたプランや、フローリングや建具のカラーの選択肢、キッチンカウンターの高さの選択肢などもあります。

イメージとしてお分かりのように、建物工事の過程で最初から個別の要望で造りますよ~という選択肢です。

さらに、指定のオプション会社のコーディネーターと相談の上である程度オリジナルのお部屋に仕上げていくことができるマンションもあります。(もちろん費用はかかりますが)

もちろん建物工事の進捗、それに伴う部材の発注期限などがありますので可能な期間は限られますが、早いほど、可能性は高まります。

まあ、この辺は「完成済みマンションのデメリット」というよりは「早く購入するメリット」という言い方をした方が正しいかもしれませんが、少なくとも、「完成済みマンション」の購入では縁がないモノです。

これらはほとんど、物理的にはあとからでも、リフォームで対応していくことは可能です。

その場合、今紹介した「メニュープラン」や「セレクトプラン」は無償であることに対して、リフォーム費用は当然かかることは添えておきます。

結論! 納得の商品が納得の価格なら…それは買い!

今回紹介した「完成済みマンションを購入するメリットやデメリット」は、ごくごく一般的な事柄です。

実際には該当しない完成済みマンションなどもあります。

例えば、完成後にも継続して「第〇期販売」という形で登録抽選方式の販売をするマンションもありますし、「価格面の交渉」など門前払いのマンションもあります。

結論…。

決して安くない、また何度もあるわけではない買い物。

自分が、また家族が後悔しないよう、納得のいく商品が納得のいく価格であるならば、それは買いでしょう。

その納得のいく商品が、たまたま「これから発売開始」なのか、「完成済み」なのかはむしろ二の次かもしれません。

これから新築マンションの購入を検討しようと情報サイトめぐりをしているなかで、「即入居可」のキャッチコピーを見かけた時に、この記事を思い出していただけたら光栄です。

「後悔できない新築マンション選び…価格だけではない完成在庫を購入するメリットとは」を最後までお読みいただき、ありがとうございました。では。


おすすめの関連記事

シェアしていただけるとうれしいです!