マンション購入予算の決め方は?…ローン額から検討も見逃しがちなランニングコスト

新築マンションのモデルルームに行くと必ず聞かれることのひとつ、「予算」について元営業マンの立場からの提案です。

もちろんこれも新築マンションに限らず、中古マンションの見学、一戸建ての販売センターでも「必ず」と言っていいほど聞かれる項目。

そもそも、この場合の「予算」とはいったい何なのでしょうか。

モデルルーム見学前のアンケート…予算を聞かれて答えられる?

以前の記事でも取り上げた、モデルルームの見学のために販売センター(その呼び名はまちまちですが)に行くとまず最初に記入を求められるお客様アンケート。

アンケートについての記事はこちら

そのアンケートの中に必ずある項目のひとつが「予算」。

これもまた各社それぞれですが、「希望価格帯」だとか「購入予定価格帯」、またずばり「ご予算」などという項目で、選択肢の中から選ぶようになっていることが一般的です。

しかしこの「予算」、初めてのモデルルーム見学の時点で明確に答えられる方はどれくらいいるのでしょうか。

実際のアンケートの記入の場面、そこまでスラスラと記入してきた方も、その「予算」の項目でペンが止まり考え出したり、ご夫婦で相談を始める方もいらっしゃいます。

予習の上でも「的外れ」な予算…検討者の価格目線とは

もちろん逆に、明確な「予算」、言い換えれば「希望金額」を持って来場される方もいます。

同じ様な見学が初めての場合は難しいでしょうが、一方ではモデルルームの「見学慣れ」しているような方。

「慣れ」とまではいかなくとも、複数回目の見学の場合は多くの方が自分なりの「目線」というモノができてきます。

以前に見学したあそこのマンションの価格帯がこれくらい、さらにローンシミュレーションなどをしてもらった結果からこれくらい、また今ではネット上からさまざまな情報収集ができる時代ですから、ありがたいことに(?)「予習」をした上で自分なりの「目線」、「予算」を明確にしてくる方もいます。

まあ、その「予習」の結果があっても「的外れ」なことを言う方も少なからずいますけどね。

営業マンによっては「予算」で決めつけ…あてにならないはずなのに

そんなわけですから、モデルルーム見学前のアンケートの「予算」の部分、担当する営業マンからしてみると「あてにならない事前情報のひとつ」くらいのつもりで対応する…はずです。

今「はずです」としたのは、実はいまだにこの「予算ありき」の営業マンというのも多く存在しているんです。

例えば、価格帯が5,000万円前後のマンションだとした場合のお客様のアンケートの「予算」の部分が3,000万円だったとします。

こんな場合、露骨に低いテンションで接客してくる営業マンがいるんです。

ハナから「買えない、買わない」と決めつけたような対応をされてしまうこともあり得ます。

繰り返しますが、一般の、初見学の方のいう「予算」ほどあてにならないものはなく、アンケートの中で見るべき項目、事前情報は他に数多くあるはずなんですけどね。

良いモノをより安く…が大前提でも「自分はいくらのモノが買えるのか」

今回のこの記事、「営業マン啓発」の目的ではありませんので本題に戻ります。

マンション購入検討者に向けた「マンション購入のための予算」の考え方の部分です。

そもそも何を買うにしても、「良いモノをより安く購入したい」…これはもう原理原則です。

ところがそこに「相場」というモノがあるわけです。

中には、価格がいくらであっても自分の好きなモノ、気に入ったモノを買いたい、いや買える、という方もいるでしょうが、このような例外は置いておきます。

あくまでもマンションですから、「自分がいくらのモノが買えるのか」という方向からの入り方が一般的でしょう。

ちなみに「別の方向」の例としては、「場所がどこで広さがこれくらいだったらいくら必要か」ということになるでしょうが、今回は前者の「自分がいくらのモノが買えるのか」という方向からに絞っています。

いくらのモノが買えるか…条件はそれぞれも目安にはなる現在の家賃

「いくらのモノが買えるか」という言い方をしても、そこには付帯条件があるはずです。

仮に同じ収入であっても、家族構成が違えばかかる費用も違う、また日常の考え方の違いで「抑えた」生活をしている人とそうでない人…。

ましてやこれらは「現在」だけではなく、これからの将来、数十年にわたっての考え方、にもよるわけです。

だから冒頭で取り上げたモデルルーム見学前のアンケート、「予算」の部分でペンが止まる、逆に「予算」を決めているふうでも「あてにならない」わけです。

そんな中でのおススメのひとつは「現在の家賃からの考察」です。

「考察」なんていう言葉を使うと大げさですが、ようは「考え方」です。

小さくはない毎月のランニングコスト…注意すべき将来の修繕積立金

新築マンション購入検討者で一番多いパターンである、これまでの居住形態が「賃貸マンション」。

購入するにあたっては、これまでの家賃と同レベルの支払いだったらどうですか?

いくらくらいまでのアップだったらOKですか?

…この辺は、かなり重要なモノサシなるはずです。

ただしその場合、忘れてはいけないのは住宅ローン以外のランニングコストの部分。

管理費や修繕積立金が代表ですが、駐車場代のことも忘れてはいけません。

もちろん駐車場代は車を所有していれば賃貸の時にもかかっているでしょうが、注意すべきは「修繕積立金」。

修繕積立金は将来アップしていくことが一般的です。

手続きを進めていく中で目にすることになる「修繕積立計画」を見るとわかりますが、5年単位でアップしていく計画になっていることが一般的です。

アップ額が少ない、もしくはアップする予定がない場合は「一時金」という形で大きな金額(数十万円単位)を徴収される計画になっているはずです。

早い段階で知った上で検討を進めるべき…修繕積立計画

ここでひとつ、ぜひ声を大にしておススメしておきたいこと…。

この「修繕積立計画」をなるべく早い段階で見せてもらうべきです

これは以前にも記事にした新築マンションの「こんなはずじゃなかった」にも似ています。

一般的には、検討が進んでいって購入の意思を見せた後に行われる「重要事項説明」の段階で初めて目にすることになる「修繕積立計画」。

その段階になって修繕積立金がアップする計画を知り、やはり購入断念…でもいいんですが、それまでの検討段階での労力は無駄になっちゃいますからね。

…というか、その段階で知っても、実は家族など周辺は購入、新居での生活に向けて盛り上がってしまっていますからそのまま突っ走っちゃうことの方が多いかもしれませんが。

アンケートの予算の項目…「未定」であることも「リアリティ」のはず

新築マンションのモデルルーム見学に行くと必ず求められるアンケート。

そしてその中の項目として必ず存在する「予算」。

その段階ではその部分、「未定」と書いていいんです。

担当する営業マンによっては「予算も決めていない」=「購入意欲は薄い」ともとられがちですが、いいんです。

それが「リアリティ」です。

そして自分なりに、いくらくらいまでが購入可能か、を考える場合には「今の家賃」から考えてみるのもひとつの方法です。

その場合、毎月のランニングコスト、そしてその中では特に「修繕積立金の将来」という部分を考慮した計画をたててみてください。

マンション購入予算の決め方は?…ローン額から検討も見逃しがちなランニングコスト」を最後までお読みいただき、ありがとうございました。では。


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