「ブラック企業大賞」のノミネート企業の発表!…なんていうニュースがありました。
この「ブラック企業」という言葉、何年前からあるのでしょうか。
当然、企業のあらゆる意味での「コンプライアンス体制」は日々、改善されている(はず?)でしょうから、昔よりは現在の方が「ブラック企業」と言える会社は減っているはず。
それでもこれだけ「ブラック企業」というワードが飛び交うのは、働く側の意識が変わってきたこと、そして世の中の「働き方改革」をはじめとする風潮によるものでしょうか。
中身はこんな感じ
「ブラック企業」でなくても、いくらでもある「ブラック談」
「ブラック企業の定義」なんていう検索をすると、恐らく莫大な数のヒットがあるでしょうが、そもそも、企業自体を「ブラック」か「ホワイト」か、などと区分けすることからしてどうなんでしょうか。
どんなに「ホワイト」と見られている、また中で働いている皆さんが快適だと感じていても、「ブラック」的な事件や話題はあるでしょう。
逆に、ある一つの出来事で「ブラック企業」と言われてしまっても、実際に働いている方々にとってはそれほど気になることなく、素晴らしい勤務環境だと、思えるかもしれません。
そこで今回、自分の実際のサラリーマン生活の中での「ブラック談」をいくつか紹介してみます。
これから紹介する「ブラック談」は実際に自分が「言われた、やらされた、見た、聞いた」事例、また今となっては恥ずかしながら、自分が「やらせた」事柄も含んでいます。
「売れるまで帰ってこなくていいよ!」
営業の世界に携わっていると、一度は言われたことがあるんじゃないかと思えるこの迷セリフ。
パン1個なら何とかなるかもしれませんが、これが自動車だったらどうでしょう。
「そう言われて事務所を飛び出して行った~さんは、~年経った今も帰ってきません。」…なんていう話は聞きませんが、それはそれで別の意味で恐ろしいことになっちゃいます。
そもそも、簡単に売れれば苦労は無いでしょうが、ここでちょっと言葉を変えればだいぶ雰囲気は違ったものになります。
「何か収穫を得て帰ってこいよ!」
「何か収穫」…ここでの最大の収穫は売れること、契約を取ってくること、注文を取ってくること…かもしれませんが、そうでないと事務所に帰れないんじゃたまったものじゃありません。
パン1個じゃないんですから。
もちろん、真に受けて本当に帰ってこなかった営業マンはいない(はず)ですが、「何かしらの収穫」でいいじゃないですか。
購入に関するキーマンと名刺交換できた、次回のアポイントメントを取り付けた、現在使用中のライバル商品がわかった…。
今どきの営業マン社会、もうこのセリフは聞きませんかね?
「売れるまで帰ってくるな!」
かつては冗談半分も含めて、よく聞いたものです。
「体調悪いんで休みたいんですが…」に対して「診断書持ってこい!」
例えば朝起きたら、頭痛と吐き気で…くらいは誰でもありますよね。
ましてそれで、すぐに病院に行こうとはなりません。
当面、横になって様子を見たいわけです。
カゼの症状ですぐに病院に行きます?
少なくとも私は行きません。
仮に、ちょっと症状が重くて病院に行ったとしても、イチイチ「診断書」なんか書いてもらいます?
これとちょっと似たスペシャル命令で、
「〇月△日、親戚の結婚式があるので休みたいんですが…」に対して「招待状見せろ!」
なんていうのもありました。
ようするに、部下を信用していないんですよね。
ズル休みを取ろうと思っているんじゃないかと、疑ってかかっているわけです。
実際に、女子社員が結婚式の招待状を手にして、上司の席に向かっている姿を目撃したことがあります。
お客様が不在…「帰ってくるまで家の前で待て!」
先ほどの「売れるまでは帰ってくるな!」とも関連するんですが、何が何でも「決定権者」に会わなければ始まらない…。
…ともなれば「そこで待っていろ!」となるわけです。
平日の夜、サラリーマンである、そのお客様に会いたい。
夜8時頃に訪問してみる…。
インターフォン越しに奥様から「まだ帰ってませ~ん」の声。
やむなく上司にその旨を報告…すると、「家の前で待ってろ!」と…。
確かに、何が何でも「決定権者」に会おうと思ったら、とりあえずはかなり高い確率で目的を果たすことはできます。
だって奥様の答えに「まだ…」があるんですから出張中ではないことはほぼ確実。
でも、あと10分待てば会えるのか、3時間待たなければ会えないのかはわかりません。
でも、結構言われたとおりにやっていた営業マンはいましたし、自分も経験したことはあります。
確かに、夜中近くに帰宅したお客様の前にパッと出ていき、驚かれながらも褒められたことさえありました。
「その心意気に負けたよ…」なんて言われ、家にあげてもらえたりもしたことがあります。
何年か先に「笑い話」にできますか? 今のブラック体験
今だったら大変なことになると思いますよ。
特に、3つ目の「家の前で待ち伏せ」なんて、下手したら警察沙汰です。
いや、「下手しなくても」警察沙汰でしょう。
今回紹介した3つの迷指示、いずれも20年以上前の営業会社での実体験です。
さすがに今の時代、こんな迷指示が飛び交っていることはないと信じたいですが、これらに近いようなニュアンスはあるかもしれませんね。
今でこそこんな振り返り記事が書けたり、武勇伝のごとく語っちゃうことができますが、自分自身も「やらされる」側からスタートして、「やらせる」側まで経験しました。
あらためて、ちょっとゾッとするような想いもあります。
本当に「警察沙汰」にならなくてよかったですし、まわりで自殺者なんかも出なくてよかったなぁなんて思ったり…。
今回、3つの迷指示を取り上げてみましたが、書き進めるうちに、もっともっとたくさんのことが思い起こされてきたりもしました。
今となっては「笑い話」ですけどね。
「笑い話」にできないような環境に身を置いている方がいましたら、脱出しましょう。
ブラック企業、そしてブラック企業予備軍から。
そして目先にとらわれてブラック企業に足を踏み入れないように…。
「ブラック企業の予備軍はどこにでも…3つの迷指令を実体験から紹介!」を最後までお読みいただき、ありがとうございました。では。