そろそろ脱賃貸、脱社宅をして「自分の城」ならぬ家の購入も考えてみようかな…。
今まさに具体的に検討中の方、いずれは考えたいけど具体的にはまだまだ先だな…。
皆さん、考え方はそれぞれだとは思います。
そもそも、ずっと賃貸暮らしだって決して悪いわけではありませんし、いずれは「戻る家」がある方もいるでしょう。
中身はこんな感じ
新築マンション購入に関する情報源は数あれど…
世の中にいくらでも出回っている、「良いマンションの選び方」ですとか「正しいマンションの購入方法」、はたまた「こんなマンション買ってはいけない」…的な、星の数ほどの情報源に真っ向から挑むつもりはありません。
実際に、具体的にマンション購入を検討している方はこれらのサイトや情報誌は、おそらく見飽きるくらい目にしているでしょう。
結局どれもこれも言っていることは一緒なんですけどね。
そこで今回は、これまでの不動産に関する業務経験、自分のネットワークの中で「見た・聞いた、実際にあった」事柄をもとに、新築マンション購入の際「この辺は気を付けて!」的な観点からアドバイスができればと思います。
一般的には一生に一度、あっても数回程度のマンション購入。
決して安い買い物ではありませんから、「こんなはずじゃなかった!」とならないように…と思います。
新築マンションを手に入れるなら…手続きはいつから?
「こんなはずじゃなかった!」を発生させる、大きな要因のひとつに、一般的な「マンションの販売方法」があります。
情報源はそれぞれでしょうが、例えば近所で古くなった社宅が取り壊されているとします。
やがて更地になり、それなりの面積の敷地…。
するといつの日か、「建築看板」が立てられ、近所の空き地やコインパーキングのような場所でプレハブ工事が始まり、そしてしばらくすると「新発表」なんていう文字が入った新築マンションの折込チラシが入ってきたりします。
そこで、「あ~、あの社宅の跡地か…」、「あのプレハブはモデルルームだったんだ…」となるわけです。
まあ、これは「近所で」というパターンでして、近所ではなくても例えば希望の場所があれば、今ではネット検索でいくらでも情報収集ができます。
またお目当ての不動産会社があれば、会員登録をしておけばメールで新規物件の情報なんかも送ってもらえます。(←軽い気持ちで登録しちゃうとちょっとうるさいくらいですけどね。)
前置きが長くなりましたが、ようは「それくらいの段階から考え始めなければならない!」ということなんです。
実物の確認は当分先の事…「こんなはずじゃ…」を避けるために
もちろん逆に、完成したマンションの残住戸を検討するという方法もあります。
選択肢が限られたりというデメリットはありますが、それはそれでデメリットばかりではなくメリットもありますが、今回は置いておきます。
先ほどの、その物件の情報を初めて得てから実際の契約に至るまでにもいくつかの段階、プロセスはありますが、今回の「こんなはずじゃあ!」を生む大きな要因が、この「契約の時期」であるとも言えるわけです。
一般的にいまだに多いパターンとして、モデルルームとパンフレット、図面集なんかを見てそして決断しなければならい。
そしてその時期は実際の引き渡しの1年前や物件規模によっては2年前、場合によってはもっと前、というわけです。
前置きみたいな部分が長いですが、何が言いたいか?
簡単に言いますと、「契約時の説明、条件、書類の内容ひとつひとつをよく理解してね」ということなんです。
決して新築マンション選びやマンションの売買契約自体を慎重に、ということを言いたいわけではありません。
物件選び自体はよく吟味、検討した結果であることは前提です。
よく吟味、検討した上でいざ契約、という段階での「それぞれ示された内容、中身をよく理解、納得してね!」ということ。
ちょっと乱暴に言い方を変えますと、「あとで文句言わないでね!」ということです。
そのマンションの駐車場附置率、決定方法の理解は⁉
ここから実際に耳にしたいくつか実例を紹介します。
引き渡し日が近くなってきますと、駐車場や駐輪場の抽選会なんてものがあります。
以前にも記事にしたことがありますが、都心部の新築マンションの場合、今では駐車場附置率100%なんていう新築マンションはありません。
だいたい30%から40%。
もちろんそれ以上の新築マンションが無いわけではありませんが、概ねこんな感じ。
車離れも進んでいる昨今ですし、その立地、購入見込者の属性など様々な要素を考慮して設定される駐車場台数。
住戸数に対する駐車場台数が附置率ですが、結果として駐車場希望者がこの附置率を大きく上回ってしまったり、逆に多く余ってしまったり…、まあ、なかなか「ちょうどよく」とはいきません。
駐車場抽選、「残念な結果」の覚悟はできていますか?
で、公開抽選会を開催します。
変に勘繰られても面倒ですし、不透明さをなくすためにも「公開」で抽選会を行いますが、多くの場合平日開催がほとんどのようで、実際に見に来る人はそれほど多くはないようです。
結果は郵送されるますが、実際に「残念な」結果通知になるお客様が発生する可能性は大いにあります。
すると、お決まりのようにお怒りの電話が入ってくるようです。
「契約する時に営業マンから、駐車場を確保できるように取り計らうと言われたぞ!」
自分の都合で解釈しがち…営業マンからの「ニュアンス」
もちろん、ある特定のお客様にそんなことを言う、ましてや約束をするなんてことがあるわけがありません。
あるとすれば、おそらくこんな「ニュアンス」です。
- その時点での希望状況を質問され、駐車場附置率を下回っているような場合に「確保できる可能性は高そう」。
- 「ご希望はしっかり引継ぎします」。
- 「駐車場附置率は、十分に吟味してあります」。
いずれも「駐車場の確保の約束」とは程遠いものです。
しかし、そのマンションを購入したいが、残るは駐車場確保だけが引っかかっていたようなお客様にとってはこれらの文句は「背中の後押し」にもつながります。
それがいつのまにか、「駐車場を確保してくれるように取り計らってくれる」と変化してしまったわけです。
条件によって「狭き門」となる、駐車場抽選
もうひとつ、このように「自分に都合がいい解釈」をしてしまう方が陥りやすいのが、「重要事項説明」で説明を受けたことが全く頭に残っていない、という傾向があるようです。
この、駐車場に関して、重要事項説明の中でうたっている場合が多い例としては、
- 駐車場優先住戸の説明
- 未販売住戸がある場合の、今後の契約者向けの駐車場の確保に関する説明
があります。
それぞれの意味は、そのままの言葉のとおりですからここでは省略しますが、ようは、これらの説明を「聞いていない」と言われて困らせられます。
だだでさえ駐車場附置率が低かった場合に、さらにこれらによって抽選会での抽選対象台数は減ってしまうわけですから、場合によってはかなりの「狭き門」となります。
軽視してはいけない…重要だから「重要事項説明」
この「重要事項説明」、義務ですからもちろん説明しますが、実際には聞いている途中で居眠りをしている方もいます。
「説明を聞いた、重要事項説明書を受け取った」ってことで署名捺印はいただきます。
しかし、まず「ちゃんと理解できましたか?」なんて聞きません。
またお客様側から「途中、どこどこのあたりで眠気が襲ってきちゃったんでこの辺をもう一回」なんて言われるためしはまずありません。
もちろん「何かご質問はございませんか?」との問いかけに、鋭い質問をしてくる方もいます。
まあ、こういう方はまず大丈夫です。
こういう方は仮にあとあと何かあっても、「重要事項説明書の~の部分にもありますように・・・」なんて切り出すとその部分での説明を思い出したりしてくれます。
でも多くの場合、「あ~、やっと終わった」という空気、まあこの辺は説明する側にも言えることなんですが、そんな状態ですから、重要事項説明から何か月もあとの駐車場抽選会、結果を見て「なんでやねん!」となってしまうようです。
自分が選んだ部屋…どんなお部屋ですか?
続いての「あとで文句言わないでね!」は、「あなたのお部屋はこういうお部屋ですよ」という部分です。
モデルルーム見学の際にもらえるパンフレットや図面集の中の間取り図や設備などの説明は、あくまでもベースとなるプランの間取り、仕様になります。
しかし実際には、いくつかの選択肢が設定されている場合が多いです。例えば、
- カラープラン(床や建具の色の組み合わせ)
- キッチンカウンターや洗面台の高さ
- キッチン吊戸棚の有無
- キッチン収納の面材の仕上げ(マットか鏡面かなど)
などです。
しかしこれらは、「選択の締め切り・期限」があります。
誰でもイメージ的におわかりのように、マンションの工事は下から上へと進んでいく、ですから下層階ほど期限は早く到来し、上層階ほど期限はあとになります。
ところがこの「選択の締め切り・期限」、多くの方がイメージしているものより、だいぶ早いものなんです。
実際に建設現場を見て、まだまだ内装に関する締め切りなんて余裕だろうと思えても、資材部材の発注の絡みやらなんやらで、契約がちょっと後の方なんかは既に期限が過ぎている、なんていうパターンが多いです。
お部屋の仕様の選択肢…決めるのはいつ、誰が?
そういうお部屋の、先ほどの「選択肢」の部分、どうしているかというと、販売側で選択して工事を進めてしまっています。
モデルルーム見学の方々の反応などから、例えばカラーで言えばモデルルームで使用しているカラーの反応はどうか、などを見て、かといってなるべく偏らないように、ですとか。
3つのカラープランがあるなら、4:3:3の比率にするかとか2:3:5の比率にしようかなどなど、これまでのお客様の反応などから販売側で決めて工事の方に発注するわけです。
ですので、「上層階を早い時期に契約、選択肢の部分を自分で選択」ならばいいんですが、割と多くの場合、「〇〇〇号室はカラープランはこれで、カウンター高さはこうで、吊戸棚はどうで・・・」という具合にすでに決まっているケースがあります。
必ず説明がある、あなたのお部屋の仕様は〇〇〇
この場合、契約時、といいますか検討段階から〇〇〇号室はこのパターンで、という説明を受けつつ、実際に契約時にはそれらが記された書面で念押し確認をさせられ、そこに署名捺印をさせられる、という流れが一般的のようです。
ところが、この書面での説明、そして署名捺印ですが、ある日の手続きとしてそれだけだったらいいんですが、ほとんどの場合が契約の手続きの時。
…ということはどういうことかというと、重要事項説明があったりローンに関する説明やら手続きがあったり、そして契約書、またそれぞれに付随する数多くの書類の説明をされ、次々と署名捺印をしていかなければなりません。
その中のひとつが、あなたが選んだお部屋はこういう仕様ですよ、パンフレットとの違いはこうですよ、モデルルームとの違いはこうですよ・・・ということが明記された書類です。
その書類に署名捺印をしたということは、その中身を「承諾した」ということになるわけです。
そしてむかえる内覧会…初めて自分の部屋を見て・・・
その契約の時点から数か月が経過し、まあ、だいたい引き渡しを受ける1か月半くらい前でしょうか、「内覧会」というイベントがあります。
この内覧会、基本的に自分が購入した部屋に足を踏み入れる機会で、簡単に設備の説明を受けたり、不具合を指摘したり、また家具などを購入するための採寸を行える限られチャンスです。
すると、その内覧会でちょっとした事件が起きてしまうことがあるようです。
「最初にもらったパンフレット描かれている〇〇〇が付いていない!」
「モデルルームと床の色が違う~!」
などなど…。
でも、ほとんどの場合、施工ミスではありません。
先ほどの、「契約の時にい~っぱい署名捺印した書類」の中にこのことが明記されている書類があったんです。
新築マンションのモデルルーム…そんなわけ、ありません。
今回最後の「あとで文句言わないでね!」は、「モデルルームとのギャップ」という部分です。
多くの場合、モデルルームを見学してイメージを膨らませ、そして最大限に気持ちを盛り上がらせて契約に至ります。
ところがこのモデルルームがくせ者。
簡単に言えば、「ドラマや映画の主人公のマイホーム」のような「飾りつけ」が「夢見る夢子ちゃん」の精神状態を狂わせ、現実とのギャップを生み出します。
余談ですが、実際にドラマ撮影や雑誌のグラビア撮影で「モデルルームを借りる」ということも現実にあるということも聞いたことがあります。
先ほどもお話しした、購入者が初めて自分が購入したお部屋を目にする「内覧会」。
この時、玄関を開けてお部屋の中に足を踏み入れ、「あれれ⁉」となる方も多いようです。
「夢を見させるため」のモデルルーム、あなたのお部屋とは違います!
確かにマンションのモデルルーム、確かに華美な飾りつけ、ちょっと良さげな家具などを置いて夢を見させますが、実際に「嘘」はついていません。
あくまでも「参考」としてちょっといい生活をイメージさせていますが、部材のグレード、質感などの部分で基本的に「嘘」はありません。
ところがお客様によっては、そのモデルルームを見学した時のイメージを持って自分が購入した実際のお部屋に突入してしまう、そしてその結果、「あれれ⁉…」となってしまうんです。
◇だいぶ長文になっちゃいましたのでここでちょっと一息…◇
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実生活では必ずあれど、モデルルームにはない、あるモノとは?
かつて、ご夫婦でモデルルームを見学された際の奥様、「素敵~!」といいながらちょっと冷静になり、「でも騙されないわ。だってゴミ箱を置いてあるモデルルームを見たことがないもの!」と言った方がいました。
この時正直、「おっ、さすが!」と思った記憶があります。
実生活では絶対に置かれている「ゴミ箱」。
それもファミリー家庭では、住戸内全体では決してひとつやふたつじゃないはず。
その奥様が言う通り、例え実生活の中では「必須」であってもモデルルーム内に設置されているケースはまずありません。
もちろんマンションギャラリーなどと呼ばれているプレハブ内にはありますよ。
でも、華やかさを演出しているモデルルーム内の、数十万円の大きなソファーのわきには置いていません。
キッチン用のゴミ箱も置きません。
モデルルームを見学しながら「現実」をイメージできますか?
こういう奥様は大丈夫なんです。
「夢見る夢子ちゃん」にさせるべく、演出が施されているモデルルーム見学中に「現実」をイメージできている。
こういう方は、自分が購入したお部屋に初めて足を踏み入れた際の「あれれ⁉」にはなりません。
ちょっと見方を変えれば、「夢を見させる」ために一生懸命「モデルルームを企画」している側からすれば残念な結果、とも言えるかもしれませんが。
「実生活で必須のゴミ箱」をイメージできるかどうか、というのはひとつの「例え」ではありますが、なんであれ「モデルルームはモデルルーム」として冷静に捉えておく必要があります。
内覧会で実際に自分のお部屋に足を踏み入れる直前、玄関の前でこの話を思い出していただき、深呼吸してから踏み入れていただくことをお勧めします。
新築マンション…物件探しや比較検討は重要。でも数ある手続きはもっと重要なはず!
今回、マンション購入に関して見落とされがちな3つの「こんなはずじゃ…」を取り上げてみました。
ちょっと見方を変えれば、「購入してもらいたい側」と「決して安くはない商品を購入する側」の微妙な意識のズレも、このような結果を生む要因のひとつとも言えます。
まさに今、住まい探し、特に新築マンションの購入を検討している方々。
まずはさまざまな希望条件などから物件探し、からだと思います。
「物件探し」に関しては以前のコチラの記事もご参照ください。
そして、購入するマンションは決まった、購入する住戸も決めた…。
そこから多くの手続き、やらなければならないことが待っています。
おそらくその段階では、気持ちは新居での「素敵な新生活」。
でも、ちょっと落ち着いてください。
繰り返しますがこの記事、「そのマンションでいいんですか?」とか「その部屋でいいんですか?」、「本当に買っちゃっていいんですか?」…というような主旨ではありません。
買っていいんです!
ぜひ、買ってください!
ただ、浮かれ気分の中での数ある手続き、言われるままに流されてはいけません。
メクラ判なんてもってのほかですし、またモデルルームを購入するわけでもありません。
冷静に、そして「現実」を見ながら手続きを進めていってください。
「こんなはずじゃなかった!」と、ならないために。
「新築マンション購入直前に必読!手続き前に意識すべき3つの落とし穴」を最後までお読みいただき、ありがとうございました。では。