ありきたりの「誠心誠意」の姿勢が後に身を助けることにも
前回、新車ディーラー営業マンとお客様との間で発生する「意識の差」について、具体的に起きた事例にも触れながらお話ししました。
常に数字に追われがちな営業マン、お客様の気持ちがピークに達する「新車納車」の頃には営業マンの意識は「次の」お客様に向いてしまっている。
ところがお客様の期待値はMAXで新車に乗り始めるも、残念ながら期待を裏切ることが起きる。
前回の記事⇒営業マンの大事な役割、お客様の期待値と現実のギャップの緩和
最近の輸入車の品質については詳しくありませんが、かつては日常茶飯事でした。
もちろん、お客様の手元に渡るまでには幾度もの点検整備を経るわけですが、それでもある意味「コンスタント」に発生していました。
そんな時、やはり営業マンの「活躍どころ」となるわけです。
営業マンによっては早速、整備スタッフに「丸投げ」してしまう者もいますが・・・。
この時のいわゆる「初期対応」が後々の「1台」につながります。
もちろん、どんな対応をしようとも納得していただけないお客様もいらっしゃいましたが、多くの場合、ありきたりの言い方になってしまいますが「誠心誠意」の姿勢は受け入れてくれたかな、と思っています。
輸入車デビューした方などには文字通りの「カルチャーショック」だったかもしれませんけどね。
もちろんこんな簡単な言葉で片づけはしませんけど、それこそ「文化の違い」を感じる場面のひとつです。
お客様と会う機会が多ければ自然と「ビジネスチャンス」到来
以前にもお話ししましたが、ある程度の営業経験を積んでくるといわゆる「新規」のお客様を接客する必要はなくなってきます。
・・・と言うか、新規客の接客をしている余裕がない、というような状態にすらなってきます。
ちょっとカッコつけた言い方でかもしれませんけどね。
お分かりのように、それまで販売してきた既存のお客様の乗り換え、増車、紹介などである程度コンスタントに台数は見込めてきます。
もちろん「売る」ためだけの日常ではなく、そのほとんどは修理や整備の際の引き取りや納車であったり、それこそ遠方での故障の際には自ら積載車を運転して引き取りに、なんてしょっちゅうですし。
ただ、ひとつ言える、大きなメリットは、これらの機会にほぼ確実にそのお客様に会える、ということなんですよね。
会える、ということは確実に「販売促進」ができる、ということなんです。
とはいえ、人間関係ができていないお客様に対して、そのような機会に乗り換えを勧めたり、紹介を依頼したりって、なかなかしずらいですよね。
その時のための「人間関係」を前回からお話ししている「新車納車」の時に固めてしまうんですよ。
お客様にとって一番ボルテージが高くなっているであろう新車納車時。
何のトラブルもなければそれに越したことはありませんが、仮に残念ながらもお客様の高い「期待値」を裏切ってしまうような事態が起きてしまったとしても、逆に営業マンにとっては「ポイント」を獲得できるチャンスかもしれません。
最後に、今でも覚えている笑えない失敗談をひとつ紹介します。
あるお客様の車の警告ランプがひとつ点灯しました。
その連絡を受けた私、最初に口にしてしまったセリフ・・・。
「買い替え時期のお知らせのランプです!」
これには激怒されてしまいました。
正直言いまして、このような冗談も言えるという、この方との距離感だと思っていましたが、その時の相手の心情を無視してちょっと調子に乗りすぎました。
今となっては笑い話ですけど、その時は「笑えない」話になってしまいました。
何事も経験、とは言いますけど、これは失敗でした。ではまた!