
中身はこんな感じ
あなたの会社で販売している商品の「欠点や弱点」、すぐに言えますか?
自分が商品選びをする時、例えば複数のメーカーの中から絞り込もうとする時、また同一メーカーのモノでも複数の商品の中で迷ったりしたような時、何度か同じような質問をしたことがあります。
家電量販店で例えばテレビを買おうとした場合、似たようなスペックと価格帯、デザインも甲乙つけがたい二社の商品があって、最終的にどっちにしようかと迷った場合、それぞれの「欠点や弱点」をあえて聞いてみるようにしています。
パンフレットや店頭のポップでも、セールスポイントはいくらでも掲載されていますが、「欠点や弱点」は表面上わかりません。
そこであえて「欠点や弱点」を聞いてみて、その「欠点や弱点」について自分自身がどの程度受け入れることが可能か、という視点から最終選択をすることがあります。
念のため言っておきますが、本当に迷った時の最終選択手段ですけどね。
「欠点や弱点」を考慮するまでもなく、セールスポイントの部分だけで決断できるほどの魅力があればそれに越したことはないんです。
例えば子供の塾選び。何を評価ポイントにしますか?
さて、ここからが本題、のつもりです。
商品の選択で迷った時に家電量販店の販売の方に「欠点や弱点」を聞いてみる、という例を挙げましたが、細かい裏事情は存じませんが一般的に家電量販店の販売の方ってどちらが売れても同じなんでしょうかね。
たまに土日などはいかにもメーカーの人っぽい方もフロアに立っていて、自社商品を強くおすすめしているような場面も見かけたような記憶もありますが、一般的にはその店のスタッフが純粋に商品の比較説明をして「どっちでもいいから買ってくれ」という立ち位置なのかと。
ここではそのような立場の方の話題ではなく、自社の商品を売らなければいけない方々が自社の商品の「欠点や弱点」を把握しきれているか、という部分に注目してみたいんです。
そもそも、家電量販店の例ではふさわしくなかったかもしれませんね。
で、次の例・・・。
子供がそろそろ小学校高学年、もしくは中学生にでもなったとします。
一般的にそろそろ塾でも、って考える頃ですよね。
いやいやウチは低学年から、とか、一方では塾なんて必要ない、なんて方も多いかもしれませんがあくまでも「例」ですからお許しください。
この時、仮に近所にふたつの塾があったとします。
といいますか、ひとつしかなかったとしてもやることは変わらないとは思いますが、当然に先に通っているお子さんが身近にいれば評判を聞いてみたり、はするでしょうが、まずは資料などをもらおうと動き出しますよね。
すると塾長さんらしき方が登場してきましてアピールが始まるわけです。
あえて聞く「欠点や弱点」。決して評価基準ではなく「気付かせて改善させるため」。
当然、「いいこと」のオンパレードとなります。
もちろん、それを否定はしません。
自分がその立場だったら同じでしょうし、言うまでもなく少子化も進んでいる昨今では生徒の確保は存続にかかわる、というかそれがすべてと言ってもいいくらいでしょうから。
そこで、その塾長さんのセールスポイントアピールの最中、あえてその塾の「欠点や弱点」を聞いてみるんです。
おそらくほとんどの場合、絶句、というか即答はできないと思います。
それでもいいんです。
仮に「欠点や弱点」がスラスラ出てきてしまっても、絶望的な、極端に言えば子供の安全性にでもかかわるようなことでもない限りその塾に通わせようという意思はあるつもり、それを前提で「あえて」聞いているんです。
あえてちょっと意地悪っぽい質問をし、そこの責任者であろう塾長が即答はできなかったとしても無理やりにでも自分のところの、いわば「商品」の「欠点や弱点」を意識させる、絞り出させてみる。
それだけで効果があると思います。
逆に言えば、無意識にでも「ウチの商品は世界一」、「欠点も弱点もない」、「完全無欠だ」なんて盲目的に思い込んでしまっていることほど怖いことはありませんから。
冷静に足元を見つめさせる、気付かせる。
そうすることで、そこの商品は少しずつでもより良いものになっていくと。
そのためのあえての質問、問い掛けです。
ハナから自分の子供をその塾に通わせる気がないなら、わざわざそこまでする必要はありません。
だってその塾がその後どうなろうとも知ったこっちゃありませんから。
でも子供を通わせる、預けるわけですから、盲目的ではなく、冷静に足元を見つめられる相手、気付いて改善に取り組んでくれるような相手に預けたいですよね。
これまで何回かに渡ってお話ししている、営業マン。
販売するべきものが何であれ、ウチの商品だけが神、欠点もない、弱点もない・・・。
必ずしも皆がそう思っているとは言いませんが、前回も紹介した商品研修の場などではかなりそういった考えに陥ってしまう可能性も大きいです。
今一度冷静に、「欠点や弱点」を知った上での営業活動、必要ではないでしょうか。では。