
商品が違えば価格も違う、形も大きさも違う…営業職
ここまで何回かに渡って、不動産営業と自動車営業の「どっちが大変?」という問いに対しての自分なりの考え方、その中で前回は、不動産営業の商品特性などについてお話ししました。
「営業」という言葉でひとくくりにされてしまいがちなんですが、やはり商品が違う以上、「やり方」という部分も違って当然にはなります。
特に不動産と自動車(ここでは新車とします)、これまでお話しした通り「商品特性」が違うとともに、一般的に誰でも共通に持たれるイメージのように「価格」も違うわけです。
私が携わっていたのは世界的にもメジャーな某輸入車ですが、その当時(10年以上前)のおおよその価格帯が400万円くらいから1500万円くらい、中心でいちばん数を稼いでいたのは500万円前後の価格帯です。
一方で不動産、これまた様々な商品、価格帯がありますが、主に私が携わったのは居住用(「投資用」ではない)の新築マンションや建売一戸建てで、おおよその価格帯は4000万円から1億5000万円くらいの商品でした。
さらにこの両者には様々な「違い」がありますが、例えば一般的に「耐用年数」も違いますし、合わせて一般人が一生涯で購入する数も違います。
今思う自動車営業にとっての「最大の武器」とは
この「耐用年数」と「生涯で購入する数」の違いから、自動車営業にとっては「最大の武器」を常に携帯することができている、と自分は考えていました。
それは、いざという時に「お願いできる」、「付き合ってもらえる」、「助けてもらえる」ということです。
もう、お分かりだとは思います。特にご経験者ならば。
また「お客様の立場」でピンときた方もいらっしゃったかもしれません。
自動車営業の最初、いわゆる新人の時のお客様、要は購入いただくためのターゲット(ちょっと言葉は悪いですがお許しください)は、主に初めてショールームにご来場いただいたりカタログ請求をされた方々、また以前にもお話しした通り、やはり人の出入りはある程度あり得る業種でもありますから、辞めた先輩が保有していた顧客などの引継ぎ客で構成されます。
ところがある程度、営業経験年数を重ねてきますと、既納客(過去に自分が販売したお客様)の「買い替え」が発生してきます。
もちろん「買い替え」に至るまでにはそれなりの年数(場合によっては月日)、その間の密なフォローなどは必須にはなりますが、先ほど「耐用年数」という言葉も使ったように、「寿命」ではないにしても必ず「車検」というひとつの節目は通過しなければなりませんし、ある程度「維持のためのコスト」は発生する、それが一般的には使用年数とともに増加していく傾向になる・・・。
念のためお断りはしておきますが、昨今の車、特に輸入車の品質については正直言いまして、ほとんど知識を持ち合わせていません。
あくまでも自分がその商品を扱っていた頃の実体験のお話しです。
「今は違うぞ!」というお声、あっても当然だとは思いますがお許しください。
決して乱用はしませんが「いざという時」の「最大の武器」
話しは戻りますが、自動車営業である程度年数を重ね既納客が増えてくると、ある程度定期的に発生する「買い替え」、そしてもう一つ、既納客からの「紹介」で成績を上げていくことが可能になってきます。
今、ここで言っているのは「向こうからの購入」がある程度定期的に、という意味なのですが、先ほどお話しした、いざという時の「お願いできる」、「付き合ってもらえる」、「助けてもらえる」ことが自動車営業の「最大の武器」にすることができる、ということです。
わかりやすい例としては、「あと一台で目標達成できる」「あと一台でトップ表彰される」「あと一台で節目の販売記録に到達する」・・・。
そんな時に「お願いできる」わけですよ。
もちろん「お願い」をするためにはその顧客とある程度の人間関係は築けていなければなりませんし、そういった相手(顧客)が一人でも多いに越したことはありません。
「お願い」をした相手がすべて受けていただけるわけではありませんから。
この、私が考えていた、なおかつ実行していた自動車営業の「最大の武器」、もちろん「お願い」なんかすることなく、やり遂げられれば言うことはないかもしれませんが、やはり残念ながら(?)その「武器」を使用すべきシチュエーションは存在しました。
でも「武器」を使う使わないは置いておいたとしても、それができることは自動車営業の大きな利点だったなと、思っています。
特に、自分が売っていた「商品の良さ」は、一般的に国内はもちろんのこと、世界中からも高い評価を受けていたものでしたから、なおさらです。
そこ無くして、「お願い」はできませんから。
この辺、また次回以降でも取り上げてみますのでよろしければお付き合いください。では。
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